精液嚢胞の病的意義

精液嚢胞とその鑑別

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【精液嚢胞とは】
精液嚢胞seminal cystとは、精子を産生する精巣の近傍にある袋状の良性腫瘍の事を言います。 基本的に無害な疾患になります。

【精液嚢胞の嚢胞とは】
嚢胞とは、内腔に液体などを含む袋状のもので、基本的には良性腫瘍に該当します。 良性腫瘍の中では非常に発生頻度が多く、多数派のものになります。
袋状構造体の裏側を上皮が覆っているかいないかで分類が別れ、裏側が上皮で覆われているものを真性、 裏側が上皮でおおわれていないものを偽性と言います。

【精液嚢胞の傾向と陰嚢水腫との鑑別】
精液嚢胞は、内部に精液を含んでおり、それは活動性のあるものではまったく無く、 基本死滅状態のものになります。
精液嚢胞が形成されるロジックは不詳な所があり、 おおよそ男性の20～40才の青年期から中年期にかけて発生しやすい良性腫瘍になります。
精液嚢胞の中には大きなものもあり、時に陰嚢水瘤と理学所見にて判別が困難なものも有ります。
鑑別が困難な場合にはそれぞれの内溶液が判別の基準になり得ます。
本疾患の内溶液には精子が混入していますが、陰嚢水瘤の内溶液に精子が混入する事は非常に稀です。

【精液嚢胞の鑑別疾患である陰嚢水腫とは】
精液嚢胞の鑑別疾患である陰嚢水瘤scrotal hydroceleとは、 陰嚢内に漿液が多量に蓄積したもので、 精巣の内部構造に関連した先天性のものと炎症などに関連した後天性のものがあります。
基本的に後天性のものは高齢者に多い傾向があります。

【精液嚢胞の治療】
精液嚢胞は基本的に無症状です。
無症状がほとんどであるが故に、本疾患の治療は積極的にされる事は少なく、 患者の希望に応じて検討されます。
治療する場合は保存的な方法な存在せず、外科的切除手術になります。

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